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宇宙船の中

  • 4月13日
  • 読了時間: 2分

更新日:8月19日

私は飛行機で眠れない。電車やバスなら秒で寝られるのに。どんなに眠い状態で搭乗しても、快適なはずのビジネスクラスのフルフラットシートでも、たいてい目を瞑っているだけでほとんど起きている。寝ることができたとしても1時間くらいがいいところ。


今回のハワイの旅も例外ではなく、搭乗前のラウンジで既に眠気はマックスだったのに、機内食の時間も寝ている場合は起こさないでくださいと伝えたのに、寝る気満々で映画を観るのは我慢したのに…ほぼ一睡もしていないに近い状態。


時差が厳しいハワイの旅では、少しでも飛行機で寝ておきたいのが正直なところだが、日本時間で午前2:30、私は寝ることを諦めた。少し身体も動かしたかったので、熟睡中のビジネスクラスの旅客たちを横目に、トイレへと席を立った。


そこでワクワクするものを発見してしまった。ビジネスクラスとエコノミークラスの間のカーテンで仕切られた空間。普段まじまじと見ることのない、飛行機のバックヤード部分。寝静まった時間帯、ここを独占できるのだ。


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朝陽が差し込んだその空間に好奇心を掻き立てられた。ワゴンなどが収納されているキャビネットが微かに陽に照らされている。なんだか宇宙船みたいだ。思わずカメラを取りに席に戻った。


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窓から見える雲の上の景色も、ちょっとだけ宇宙を彷彿とさせる。私の席には窓がなかったから、このフライトで初めて見る外の景色になおさら釘付けだった。もう少し早くこの場所に気づいていたら、飛行機から満月がどう見えるのか検証できたのに。そんなことを思いながら、誰もいない小さな空間を独り占めしていた。


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早朝のご褒美(日本時間は真夜中だけど、現地時間は朝)タイムがこんなところにもあったとは。新鮮な気持ちのままエッセイに綴らなきゃ、と突き動かされるようにいま文章を書いている。


さて、CAさんが朝食の準備を始めたようだ。この宇宙船の食事では、特別に厳選されたブレンドコーヒーが選べるらしい。まさに童心に帰ったかのようなワクワクした高揚感を味わいながら、朝食が運ばれてくるのを待った——。

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